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太平洋側の8港で津波が防波堤を越える恐れ

2012.03.01

 大規模地震によって最大級の津波が発生した場合に、太平洋側にある主要港湾19カ所のうち高知港(高知県)や日高港(和歌山県)、清水港(静岡県)などの8港で、最も外側の第一線防波堤を津波が越えることが、国土交通省のシミュレーション結果で分かった。

 シミュレーションでは、中部-九州地方の港湾については東海・東南海・南海地震と宮崎県沖の日向灘地震の想定震源域を一部拡大した地震(マグニチュード〈M〉8.9)、東京湾については「元禄関東地震」(1703年、M8.4)の震源域を一部拡大した地震を想定した。

 その結果、第一線防波堤の高さが4.9メートルの高知港では11.9メートルの津波、第一線防波堤の高さ6.3メートルの日高港では10.1メートルの津波が押し寄せることが分かった。さらに清水港や木更津(千葉県)、和歌山下津(和歌山県)、徳島小松島(徳島県)、宿毛湾(高知県)、宮崎(宮崎県)の各港でも、津波が第一線防波堤を越えて来ると予想された。

 また東京湾や伊勢・三河湾、大阪湾にある港のうち東京港、川崎港、横浜港、四日市港、大阪港では津波が第一線防波堤を越えないものの、コンテナの積み下ろし作業を行うコンテナターミナルで20-60センチほどの浸水被害の恐れがあるという。

 同省では防波堤の土台を強化して倒壊しにくい構造にするための技術基準指針や、港湾労働者や来訪者の安全を確保するためのガイドラインなどを、5月をめどにまとめる予定だ。

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