福島県南相馬市内の畜産農家から東京都の芝浦と場に搬入された肉用牛11頭から食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたのを受けて、福島県は県内の緊急時避難準備区域と計画的避難区域から出荷される肉牛すべてについて放射能検査を行うことを決めた。
鹿野農林水産相は12日午前の記者会見で、福島県が計画している放射能検査に全面的に協力することを明らかにした。
放射性セシウムが検出された牛を出荷した南相馬市内の畜産農家は、緊急時避難準備区域内にある。放射性セシウムは、牛に餌として与えたわらに含まれていたと見られている。鹿野農林水産相は、福島県の畜産農家に対し飼養管理の徹底をあらためて要請した。
食品中の放射能については、食品安全委員会が放射性核種ごとに暫定規制値を設けている。これを超えると販売できない。暫定規制値は原子力安全委員会の指標に基づいており、肉に対する放射性セシウムは魚、卵、野菜、穀類と同様、1キログラム当たり500ベクレルと定められている。1年間食べ続けた場合でも、被ばく量は5ミリシーベルトにしかならないとの計算から設定された。
11頭から検出された放射性セシウムの値は、暫定規制値の3-6倍に相当する。