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北九州で水素利用モデルタウン実証試験スタート

2011.01.14

 経済産業省は、水素をエネルギーとして利用するモデルタウンの構築を目指す社会実証試験を北九州市で15日から始める。新日本製鉄で生産された水素を「北九州水素ステーション」(八幡東区東田)から、近くの住宅や商業施設、公共施設にパイプラインで供給、各施設に設置された家庭用、業務用の純水素型燃料電池の運転実証などを行う。

 実際に運転実証に当たるのは、JX 日鉱日石エネルギーや西部ガスなど13の企業でつくる「水素供給・利用技術研究組合」。北九州水素ステーションで水素の安定・安全な供給に関する問題点を探り、供給される側の集合住宅や戸建て住宅に設置した家庭用純水素型燃料電池と太陽電池、蓄電池との連携で電力系統から自立した電力・熱源供給が可能か検証する。また公共施設や店舗などにも業務用燃料電池を設置し、同様の実証試験を行うほか、水素低圧充填設備を設置し、燃料電池フォークリフトや燃料電池アシスト自転車など小型移動体への水素充填の実証試験も行う。

 福岡県は水素の製造、輸送・貯蔵から利用まで一貫した研究開発と、人材育成、社会実証、世界最先端の水素情報拠点の構築、水素エネルギー新産業の育成・集積に産官学で取り組むため「福岡水素エネルギー戦略会議」を2004年に設立した。北九州水素ステーションは、同会議が進める「水素ハイウェイ」構築のため昨年9月に設けられた。

 また同戦略会議の中心メンバーである九州大学は、水素をはじめとするカーボンニユートラル・エネルギー研究の拠点として文部科学省の「世界トップレベル研究拠点(WPI)」に昨年7月選ばれている。

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