若手研究者や女性研究者を対象にした最先端・次世代研究開発支援プログラムの採択がいまだに決まらない。スタートが遅れると研究期間が短くなってしまうだけでなく、任期付きの研究者は求人が遅れると雇用が続かず路頭に迷う可能性があるなど、研究現場への影響を心配する声も聞かれる。
次世代研究開発支援プログラムには専念義務があり、採択されたら次年度以降の他の研究開発予算を辞退しなければならないという研究者に対する制約がついている。採択が遅れると来年度の研究の見通しが立たず困る研究者や大学なども出かねない。予定では、10月中に日本学術振興会から採択課題・研究者の審査結果が示され、総合科学技術会議で11月中に内定、12月には助成金の交付申請、交付決定となるはずだった(次世代プログラムスケジュール)。
既に日本学術振興会からは総合科学技術会議に審査結果が示されている。和田隆志・内閣府政務官は2日の記者会見で「精査している。支出して良いかを見極める」と発言し、さらに27日の記者会見でも「日本学術振興会が示した査定状況では出せるものではない」と話している。
審査は日本学術振興会の専門家に任せることにしたはずだった。津村啓介・前内閣府政務官は夏の記者会見で「なるべく早く決定できるようにしたい」と話していた。それを受けて、相澤益男・総合科学技術会議議員も11月の記者ブリーフィングで「個別の提案書を総合科学技術会議で見ることはしない。それをやっていたら時間が足りないので、それより研究を早く始められることが大事」と発言している。