総合科学技術会議は27日、首相官邸で本会議を開き、最先端研究開発戦略的強化事業運用基本方針を決定した。30人の代表研究者を対象とした最先端研究開発支援プログラムを補完するための100億円と、若手・女性が活躍する基盤を構築する300億円の運用方針を定めた。
若手・女性支援のための300億円のうち280億円は、世界水準の研究設備を大学や研究開発独立行政法人に整備することに割り振られる。既に最先端の研究活動を実施しているか実施できる力を持っている機関が対象になり、グリーン・イノベーションとライフ・イノベーションに関連する研究設備だけでなく、事業費ベースで4割はそれ以外の分野にも配分できる。
また研究設備の購入費だけでなく、運用に必要な経費や若手・女性研究者が対象設備を利用して研究する場合の研究費も支出できる。配分先は公募ではなく、文部科学省に設けた委員会で決定する。事業期間は3年間。
残り20億円は若手研究者の海外派遣事業に使う。昨年の補正予算で日本学術振興会が行っている組織的な若手研究者等海外派遣プログラムや優秀若手研究者海外派遣事業(補正見直しで新規募集はしていない)を、分野を絞って戦略的に行う。文部科学省に国際企画委員会(仮称)を設け、派遣戦略を策定してから対象機関を公募する。
30人の代表研究者を対象とした最先端研究開発支援プログラムを補完するため追加された100億円については、当サイトで既に伝えているようにプログラムを加速・強化するために95億円を追加配分し、残り5億円を最先端研究開発支援プログラム全体や個別の研究内容の紹介など、サイエンスコミュニケーションに使うことが正式に決まった。