ニュース

下水汚泥から都市ガスつくり一般に供給

2009.10.22

 下水汚泥処理場で発酵を利用してつくった「バイオガス」を熱量調整などの処理をしたのち都市ガス導管に注入し、一般に供給する日本で初めての試みが神戸市で始まる。新たなバイオガス利用法として運営方法や経済性を検証する。

 神戸市は既に国土交通省新世代下水道支援事業として神戸市東灘処理場の下水道汚泥からメタンを主成分とするバイオガスをつくり出す消化ガス精製装置を設置している。このバイオガスは昨年4月から運転開始したこうべバイオガスステーションで年間1万台を超す市バスや、宅配車に燃料として供給されている。

 新しく始まる試みは経産省の「バイオマス等未活用エネルギー実証試験費補助金」を受けて実施され、神鋼環境ソリューション社がバイオガスから微量成分を除去し熱量調整などを行う高度精製設備を建設、運営する。精製後のガスは大阪ガスが買い取り、同社の都市ガス導管に取り込んで一般に供給する。

 今年度中に事業を開始し、期間は10年を予定している。

 都市ガス導管を通じて供給されるガス量は年間約80万立法メートルで、約2,000戸の家庭の年間消費量に相当、これで年1,200トンの二酸化炭素(CO2)削減効果が期待できるという。

関連記事

ページトップへ