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新潟県中越地震被災地で住民主体の震災総合訓練

2009.10.16

 住民が主役となる地域にあった防災対策モデルづくりを進めている防災科学技術研究所は18日、長岡市主催の山古志地区震災総合訓練で、住民が主体となって作成した災害対応シナリオに基づく訓練を実施し、その効果を確かめる。訓練には宇宙航空研究開発機構も協力、技術試験衛星「きく8号」を介した情報伝達による小中学校児童・生徒の帰宅判断訓練も行なわれる。

 災害対応シナリオは、防災科学技術研究所が開発した「eコミマップ」を用いて、自主防災組織や行政、NPOと一緒につくりあげたもので、集落単位の被害想定に基づいた災害対応がシナリオ化されている。eコミマップは、インターネット上に分散して存在しているいろいろな地理空間情報を引き出し、地域防災に役立つ地図をつくるシステムだ。

 山古志地区は、長岡市に編入合併する前の2004年10月に起きた新潟県中越地震で大きな被害を受けた。村に通じるすべての道路が寸断され全村民が隣接の長岡市などに2年以上に及ぶ避難生活を余儀なくされた。18日の震災総合訓練では全14集落で集落が孤立した場合を想定し、衛星電話を用いて長岡市山古志支所との情報伝達訓練を行い、eコミマップを用いて被害状況を集約する。また支所と山古志小・中学校間を衛星通信システムで結び、児童・生徒の帰宅判断訓練を実施する。竹沢、梶金の2集落では、作成した災害対応シナリオに基づきそれぞれ独自の訓練を行う。

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