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X線自由電子レーザー開発競争で新成果

2008.07.29

高強度で安定した極紫外光発信に成功した
X線自由電子レーザー試験加速器
高強度で安定した極紫外光発信に成功したX線自由電子レーザー試験加速器
(提供:理化学研究所)

 日米欧で激しい開発競争が続くX線自由電子レーザーで、日本の計画の優位さを裏付ける新たな成果が得られた。

 理化学研究所と高輝度光科学研究センターが共同で組織する「X線自由電子レーザー計画合同推進本部」が、28日発表した。

 X線自由電子レーザーは、現在、赤外から可視光の範囲に限られているレーザーを一挙にX線の領域で実現することを目指す画期的なプロジェクト。これまでにない短い波長のレーザーにより、化学反応など超高速で変化するナノの世界の現象がリアルタイムで観測できるなど、さまざまな分野で威力を発揮する画期的な研究装置になると期待されている。

 欧米のプロジェクトが先行したが、日本の計画は、アンジュレーターと呼ばれる磁石列(電子の通り道)を丸ごと真空容器内に納める独特の設計により、欧米で開発中の装置に比べ、費用、大きさとも半分以下で済む特長を持つ。

 X線自由電子レーザー計画合同推進本部は、実証用プロトタイプとして小型試験加速器を2006年に完成させ、この装置の改良も本装置の建設と並行して進めている。この装置ですでに極紫外線(波長が可視光より短くX線領域に近い)のレーザー発信を実現していたが、今回、強度を飛躍的に高めた上、安定した極紫外線レーザーを発信することに初めて成功した。強度は、波長60ナノメートルで100メガワット以上、レーザー出力のパルスごとの強度変動は10%以下に抑えられた。

 今回の成果について同本部は、この試験加速器によって今後、本格的な光利用研究が可能になっただけでなく、2010年の完成を目指し播磨科学公園都市に建設中のX線自由電子レーザー装置の性能にも明るい見通しを与えるものだ、と言っている。

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