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「もんじゅ」ナトリウム漏えい検出器に異常

2008.04.08

 10月の運転再開を目指し、プラント確認試験が行われている高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい検出器が、設計より深く挿入されていた結果、先端部が曲がる異常を起こしていたことが分かった。

 日本原子力研究開発機構から報告を受けた原子力安全・保安院は、7日同機構に対し、すべてのナトリウム漏えい検出器の点検計画を14日までに提出し、これまで異常が確認された検出器について原因究明と再発防止策を速やかに報告するよう指示した。

 異常が見つかったのは、1次系主冷却系配管室にある原子炉容器入口1次止め弁に取り付けられているナトリウム漏えい検出器。3月26日に警報が鳴ったことから検出器を弁から抜いて調べた結果、検出器先端の電極部が曲がっており、さらに検出部先端の片側に摩耗した跡があるのが見つかった。

 この検出器と同様、配管内に斜めの角度で挿入されている22個の検出器を調べた結果、電極部の曲がりは4個の検出器で見られたことが確認された。

 同機構は、検出器を計画値より深く挿入したため、検出器先端の電極が弁棒に当たって変形し、その結果、電極部を支えている先端(シース部)の片側も弁棒に当たったのが原因と推定している。検出器が計画値より深く挿入された原因については、検出器を固定しているシーラントと呼ばれる部位の固定が弱く、検出器を挿入する時に動いたため、と推定している。

 もんじゅは、1995年に冷却材であるナトリウム漏出事故を起こし、運転停止に追い込まれた。その後、原因究明の結果報告、安全総点検・再発防止対策の報告書提出、改造工事の施工認変更申請・許可、地元の了解などを得る作業を経て2005年9月に本体工事に着工、昨年5月に工事完了し、同年8月から運転再開に向けたプラント確認試験に入っていた。

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