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米科学誌の新技術ベスト50に山中伸弥教授ら

2007.12.26

 米科学誌「サイエンティフィックアメリカン」が、「多くの分野に大きな貢献をする可能性がある」新技術として選んだ「2007年のベスト50」の中に、山中伸弥・京都大学教授ら3人の日本人と1グループが入った。

 同誌の日本版「日経サイエンス」2月号によると、山中教授は「たった4つの遺伝子を調整してマウスの皮膚細胞を胚性幹細胞(ES細胞)とほぼ同じ内容に変え、その後、このES細胞様に“再プログラム”された細胞を分離する、より正確な方法を示した」業績が評価された。

 山中教授は11月に、ヒトの皮膚細胞からも同様に多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出すことに成功、世界的な関心を集めた。「サイエンティフィックアメリカン」誌は、すでにマウス時点の研究成果で十分画期的な業績、という評価を与えたことになる。

 他にベスト50に選ばれた日本人は、「フォトニック結晶中の“ナノ空洞”に光子を一時的に保存してみせ」、光を操る技術をなお精妙にした田辺孝純氏(NTT物性科学基礎研究所)、「インクの代わりにポリシラン(ケイ素と水素からなる高分子)を噴出し、シリコン半導体チップを印刷出力するプリンター」を開発した古沢昌宏氏(セイコーエプソン・フロンティアデバイス研究所グループリーダー)。

 さらに北海道大学と英ブリストル大学の物理学者チームが「『量子もつれ』光子を使う計測法を発展させ、距離計測の精度をほぼ2倍に高めた」業績で、ベスト50に入っている。

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