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iPS細胞研究推進で特別プログラム

2007.12.25

 科学技術振興機構(JST)は、山中伸弥・京都大学教授が切り開いた多能性幹細胞(iPS細胞)研究を推進するため、新たに「iPS細胞等の細胞リプログラミングによる幹細胞研究戦略事業プログラム」を立ち上げることを公表した。

 山中教授のiPS細胞研究については、JSTの戦略的創造研究推進事業・チーム型研究(CREST)の「免疫難病・感染症等の先進医療技術」研究領域の中で、研究課題「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」(研究代表・山中教授)として、すでに研究支援が行われている。

 新しく立ち上げられるプロジェクトは、山中伸弥教授を中心とした「山中iPS細胞特別プロジェクト」、チーム型研究推進制度の「新CREST」、若手等の個人研究者の集団による研究推進制度「新さきがけ」の3つの柱からなる。

 「山中iPS細胞特別プロジェクト」は来年度中に発足させ、現行のCREST研究課題「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」に発展的につなげるようにする。

 新CREST」と「新さきがけ」については研究領域などを定めた上で、来年1月中に研究課題の公募を開始し、来年度当初にスタートさせる。

 文部科学省は22日、「iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略」を策定、公表した。JSTの支援策はこの総合戦略を受けたもので、すでに京都地区における山中チームの新たな研究スペースの確保や、知的財産の活動を支援するための専門家の派遣などの緊急支援については今年度中の実施に向けて動き出している。

 また、緊急支援策の一つとして、25日に京都で急きょ、「多能性幹細胞研究のインパクト−iPS細胞研究の今後」と題する特別シンポジウムが開かれた。

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