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ナポレオンフィッシュの稚魚生産に成功

掲載日:2011年12月2日

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種とされているナポレオンフィッシュの稚魚生産に、水産総合研究センター西海区水産研究所と長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科の研究グループが成功した。

ナポレオンフィッシュはベラ科に属し、大きなものは体長が2メートルにもなる。名前の由来は、大きな額がナポレオン愛用の帽子に似ているためで、別名はメガネモチノウオ。南西諸島海域を含むアジア・オセアニアの熱帯、亜熱帯に生息し、沖縄ではヒロサーと呼ばれている。貴重な食用資源となっており、特に中国では最高級魚の扱いだが、乱獲と生息域であるサンゴ礁の破壊などで急速に生息数が減っている。

長い間、産卵についての情報がなく、種苗生産技術の開発が難しかったが、西海区水産研究所などの研究グループはまず、6月後半-9月後半、水温28-30℃の特に新月前後1 週間に集中して産卵が行われることを突き止めた。飼育の難点は受精卵が得にくいことだったが、飼育水槽の水位を急激に低下させることで産卵を誘発させることに成功した。さらに仔魚(しぎょ)の口が小さいため、通常の養殖で広く使われている餌を受け付けない最大の難点も、プロアレスという全長0.08ミリの動物プランクトンを与えることで解決した。

国内では初めて8月に22 尾(生残率0.25%、平均全長9ミリ)、9月には537 尾(生残率10.7%、平均全長9.1ミリ)の稚魚生産に成功した。ナポレオンフィッシュの養殖は各国が取り組んでいるが、2003 年に初めてインドネシアで120 尾の稚魚生産に成功したのが、これまで唯一の成功例となっている。

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