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生物多様性条約締約国会議が名古屋で開幕

2010.10.18

 地球の生態系だけでなく持続可能な経済活動にも大きくかかわる生物多様性条約について話し合う第10回締約国会議(COP10)が18日、名古屋で始まった。

 会議開幕に当たり世界自然保護基金(WWF)は声明を発表し、「生物多様性の損失を止める目標の設定と、目標を達成するための資金メカニズムを立ち上げ、資金面での公約をする」ことを会議に求めた。

 生物多様性条約には193の国と地域が加盟している。今回の会議で大きな争点になるのが、開発途上国に起源を持つ遺伝資源から生じる利益を公正、公平に配分する原則の確立だ。

 WWFは「純粋に経済学な見地に立っても、現在当たり前と見なしている生態系サービスを人工的に生み出すよりも、健全な生態系を保全し、回復させていく方がはるかに費用対効果に優れる」と、自然が果たしている役割に対する「価格付け」の必要を強調している。

 WWFによると、世界の商業漁船の漁獲能力は、沿岸海洋が持続的に生み出せる生産力の2.5倍にも達している。世界の漁業の立て直しとグリーン化は毎年80億ドル(約6,400億円)規模の投資で可能。そのための資金はその3倍以上にも上る漁業補助金を段階的に削減・廃止することで手当てでき、その結果、過剰漁業をなくすこともできる、としている。

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