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ウナギの完全養殖に成功

掲載日:2010年4月9日

水産総合研究センターは8日、ウナギの完全養殖に成功した、と発表した。

同センター養殖研究所と志布志栽培漁業センターで、実験室生まれのウナギ稚魚を育て、2-5年後成長した親魚から人工授精で受精卵を得、ふ化させた。生まれた仔(し)魚は、ふ化から6日後の4月2日に餌を食べ始め、その後、順調に成長している。

外国ではウナギを稚魚にまで育てることにすら成功していない。人工ふ化した仔魚から育てた親から人工飼育下でさらに仔魚を得るという完全養殖は、ウナギでは初めて。ウナギ資源の保護と共に「鰻(うなぎ)」という日本の大事な食文化を守る重要な技術になる、と水産総合研究センターは今後の研究の進展に期待している。

ウナギの生態は長い間謎となっており、ようやく近年になって産卵場所が日本列島から遠く離れたマリアナ諸島沖の西部北太平洋付近の深海であることが、東京大学海洋研究所や水産庁の調査でほぼ突き止められた。商品となっている鰻は、産卵場所からはるばる日本列島にやってくる天然ウナギの稚魚(シラスウナギ)を採取して、養殖場で育てられているのが現実だ。このため毎年、シラスウナギの採取量によって養殖業者の経営が左右される状況が続いている。特に昨年はシラスウナギがシーズン当初、極端な不漁となり、養殖に必要な量を確保できるか心配された。

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