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絶滅の恐れある野生生物新たに622種

掲載日:2008年10月7日

絶滅の恐れのある野生生物種が1年間で新たに622種増えたことが、バルセロナで開かれている国際自然保護連合(IUCN)の総会「世界自然保護会議」で報告された。

IUCNの2008年版レッドリスト「絶滅のおそれのある野生生物種」によると、絶滅の恐れが高い順からCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)、EN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)、VU(危急種=絶滅危惧2類)に含まれた野生生物は、合計で1万6,928種。前回の2007年度版よりも、622種増加している。

オーストラリアのタスマニア島にのみ生息する有袋類タスマニアデビルは、VUよりも危険度が低いLR(準危急種)だったのが、VUを飛び越してEN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)に入れられた。手厚い保護活動によって絶滅を免れてきたものの、顔に悪性腫瘍(しゅよう)ができる伝染病によって、個体数がこの10年で6割も減少したと見られている。

東南アジアの沿岸部や大河にすむイラワジイルカも、ダム開発や森林伐採、漁獲や混獲などの深刻な被害により、今回初めてVU(危急種=絶滅危惧2類)に掲載された。

このほか、熱帯アジアの沼沢地や森にすむスナドリネコや、カスピ海に生息するカスピカイアザラシなどが、それぞれVUからEN(絶滅危惧種=絶滅危惧1B類)に、乱獲によって減少したキューバワニもENから絶滅寸前のCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)にランクが上がった。

一方、いったん絶滅した(EW=野生絶滅種)と判定されたものの、保護活動の効果で、再び復活した例も報告された。米国の大平原に生息していたクロアシイタチは、米政府の20年に及ぶ人工繁殖活動と、綿密な再導入計画の結果、EWからCR(近絶滅種=絶滅危惧1A類)となり、野生種として再びリストアップされることになった。クロアシイタチは、獲物であるプレーリードッグが牧草地の害獣として駆除されたため、一度は野生から姿を消していた。

また、家畜ウマの原種といわれるモウコノウマも、保護回復活動の結果、野生復帰を果たしたとみなされ、クロアシイタチと同様、EWからCRに変わった。

主にアフリカ南部の国々で近年個体数が増加しているアフリカゾウも絶滅危機種から外れ、より危機の低いランクの「LR(準絶滅危惧種)」とされた。

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