「2位では駄目か」という蓮舫参院議員の発言で多くの人に知られることになったスーパーコンピュータは、「性能世界一にどの国の機種が」といったことで、その後も大きなニュースになっている。しかし、スパコンの性能がいかほどのものかについて、明確なイメージが描ける人は一握りではないだろうか。
東京工業大学と大阪大学は24日、両大学主催で20日から開かれていた「スーパーコンピューティングコンテスト」で、灘高校チームが優勝した、と発表した。さらに2位開成高校、3位栄光学園高校、4位筑波大学附属駒場高校まで上位4チームが問題解決に要したスパコンの合計計算時間は全て1秒以下、優劣はミリ秒の差でしかなかったことも明らかにしている。
「スーパーコンピューティングコンテスト」は今年で18回目。予選を勝ち抜いた高校生20チーム(1チーム3人以下)が、与えられた3つの問題に対し、計算法(プログラム)を作成し、正解数と所要計算時間で優劣を競う。今回は東京工業大学のスパコン「TSUBAME」が使われた。
今年の問題の1つは「ある都市の電車網における1日の電車の運行スケジュールが与えられる。そこから3人が、始発から終電まで1度も出会わないような電車の乗り方のうち、3人の合計走行距離が最も長くなるものを求めよ」だった。この問題を含む3題に、優勝した灘高チームがスパコン「TSUBAME」で計算に要した時間は合計0.06秒だった。
過去のコンテストで、どのような問題が出たのかを見てみる。
「障害物がある広場の地面を一定の大きさのレンガで敷き詰める方法の総数はいくつか」(2010年)、「ある空間内に存在するすべての星の座標と、それに対してさまざまな星から撮影した『全天写真』が数多く与えられる。それぞれの写真から、どの星からどの方向を向いて撮影されたものかを計算せよ(制限時間内で正解数の多さを競う)」(2009年)といった難問が並んでいる。
こうした問題をものともしない高校生たちの能力とともに、スパコンの性能がどれほどのものか、ある程度、イメージがつかめたと感じる人もいるかもしれない。