レポート

サイエンスカフェ@近代資料科学館「シャボン玉を凍らせる!(Fronzen Bubble Box)」

2014.08.21

サイエンスポータル編集員

 ここは東京理科大学 近代科学資料館。

 普段はスタッフの控室として使用している部屋を開放して開かれるサイエンスカフェ。
部屋の周りにある棚の上には歴史を感じる計算機がずらりと並ぶ。
多くの親子連れが訪れ、ジュースとお菓子が振る舞われる中、サイエンスカフェが始まった。

会場の様子
会場の様子

 透明のプラスチックの箱の中に大きなドライアイスの塊。ドライアイスってなーに?という素朴な疑問の投げかけ。氷点下78度。普段はやけどをするからと手に取る機会のないドライアイスだが、ギュッと握らなければ大丈夫。みんなでドライアイスを触ってみる。意外に触れるものだと子供たちの目がきらきらしている。

ドライアイスの煙に手をかざす
ドライアイスの煙に手をかざす

 次に水の中にドライアイスを入れたらどうなるか? 白い煙を吐きながら泡立つのだ。まるで蒸気機関車の煙のよう。ドライアイスが煙を吐いているのだから、たいていの人は冷たいと想像する。手を入れてみる。意外!温かい。再び驚きの声が響く。今度はオイルで試してみよう。オイルの中にドライアイスを入れると泡立つが煙は立たない。

 水にドライアイスを入れて発生する煙は、空に浮かぶ雲なのだそうだ。小さな水滴に光が散乱して湯気のように見えるのだとか。雲は空の上の現象だと思っていたが、身近なところで簡単に作れるものだと感心した。

 次の実験。上の方に空気が通る穴が開けられた透明のプラスチックの箱。この箱の中に向かって息を吐き、シャボン玉を作ってみる。すると、ドライアイスの上でぷかぷかと浮く。なんて幻想的な光景でしょう。子供たちだけでなく大人も思わず感嘆の声を上げてしまう。

ドライアイスボックスの中で浮かぶシャボン玉
ドライアイスボックスの中で浮かぶシャボン玉

 この原理は簡単。息は温かく、ドライアイスは冷たい。温かいものが上、冷たいものが下、その現象が目の前で繰り広げられている。可視化することの大切さを再認識した。

 3分くらいだろうか、ぷかぷかと浮遊していたシャボン玉が徐々に落下傘で降りるように、下にあるドライアイスへとゆっくり下りてくる。そして、ドライアイスと接触した瞬間、シャボン玉が凍った。これが“Fronzen Bubble”。球形のシャボン玉の上半分くらいはなくなり、まるで小さなサラダボウルのように下半分だけの球となる。指でそっと触れると、一瞬で壊れてしまう儚いシャボン玉。実にかわいい。

Fronzen Bubble!凍りついたシャボン玉
Fronzen Bubble!凍りついたシャボン玉

 スーパーマーケットで時折もらうドライアイスで、今度は自宅で遊んでみようと思った。読者のみなさんもぜひお試しあれ!

サイエンスカフェの講師・Ilan Chabay博士と北原和夫教授、そして参加者のお世話をしてくださった学生の皆さん
サイエンスカフェの講師・Ilan Chabay博士と北原和夫教授
そして参加者のお世話をしてくださった学生の皆さん

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