1995年、小さな呼びかけから始まったアサザ基金の活動は、先生たちを巻き込んでいまや170校を超える小学校から毎年1万人以上の子供たちが参加するプロジェクトに発展している。霞ヶ浦だけでなくすぐ東にある北浦までも取り囲む地域全体の自然、社会を再生する活動へ、と。各学校の庭で1、2年かけてタネから育てられたアサザは子供たちによって湖に植え戻されるが、地元の森林組合が協力し、沖合いに雑木の小枝を束ねた粗朶(そだ)と間伐材で組み立てた消波堤を湖岸から少し離れた場所に造った。コンクリートの堤と違って水を完全にせき止めず、魚も行き来できるので、魚が寄ってくる。さらに湖岸に砂を呼び戻し、アサザの生育にも適した波の穏やかな浅瀬が復元し、コンクリート製湖岸のせいでなくなったヨシ林も再生…。こうした作業には漁業者たちも協力、とこどもたちが主役の運動は立派な地域再生の活動に発展した。
レポート
地域と宇宙から霞ヶ浦再生 小学生とリモセン研究者ー 第2回「地域再生プロジェクトに発展」
2006.07.24