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ディープラーニングの先駆的研究と実用化に貢献したヒントン博士に本田賞を授与

掲載日:2019年11月20日

本田財団(石田寛人理事長)は18日、人工知能(AI)の機械学習手法の一つであるディープラーニング(深層学習)の先駆的研究と実用化に貢献したトロント大学名誉教授・ベクター研究所主任科学顧問のジェフリー・ヒントン博士に2019年の本田賞を授与した。

本田賞は、次世代のけん引役を果たす新たな知見をもたらした優れた科学者をたたえるために1980年に創設された。ことしの授与式は18日午後、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれ、ヒントン博士にメダル、賞状と副賞1000万円が贈られた。授与式に続き、同博士は「ディープラーニング革命」と題して記念講演した。本田財団や本田賞選考委員会の関係者らに受賞の謝辞を述べた後、ディープラーニングが生まれるまでの研究内容などを詳しく紹介した。

本田賞の賞状を手にするヒントン博士(右)。左は本田財団の石田理事長
本田賞の賞状を手にするヒントン博士(右)。左は本田財団の石田理事長

ヒントン博士は47年にわたり「人工ニューラルネットワーク」の研究を続けている。人工ニューラルネットワークは、人間の脳の仕組みをモデル化し、膨大なニューロンの活動パターンを用いて学習するという独創的な発想に基づいて提唱されたが、コンピューターの処理能力不足などから実用化が進まず、1990年代はAI研究の「冬の時代」と言われた。

そうした中でもヒントン博士は研究を進め、2002年に新たな高速学習アルゴリズムを発表するなど、AIが膨大なデータを効率的に処理することを可能にし、ディープラーニングの飛躍的な進化を実現した。さらに2009年には「多層ニューラルネットワーク」によって音声認識技術の劇的な性能向上を、2012年には「深層畳み込みニューラルネットワーク」によって従来の画像認識技術を超える精度をそれぞれ実現するなど、ディープラーニングを使ったAI技術に革命をもたらした。

同財団は、現在世界中に広がるAIを活用したサービスのほとんどはヒントン博士の研究成果がなければ実現しなかったとしている。

ヒントン博士は1947年12月英国生まれ。1970年にケンブリッジ大学で実験心理学学士号、1978年にエジンバラ大学で人工知能博士号をそれぞれ取得。1987年にトロント大学のコンピューターサイエンス学部教授に就任した。

記念講演するヒントン博士
記念講演するヒントン博士
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