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次世代放射光施設は仙台市の東北大に建設 創薬など広い分野での応用期待

掲載日:2018年7月4日

物質の状態をナノレベルで分析し、創薬や高分子材料開発など広い分野での応用が期待される次世代の放射光施設が仙台市の東北大学に建設されることになった。文部科学省が3日、国と協力して整備や運用に当たる提携先に宮城県や東北大などを選んだと発表した。同省は2023年ごろの運転開始を目指している。

現在国内の代表的な放射光施設としては理化学研究所の「スプリング8」(兵庫県)があり、数多くの成果を上げてきた。スプリング8は「硬X線」と呼ばれる放射光を使うのに対し、次世代放射光施設は硬X線よりエネルギーは低いが明るく輝く「軟X線」を使う。硬X線は重元素を感度良く測定でき、物質内部の分析を得意とする。軟X線は軽元素を感度良く測定でき、物質表面の分析を得意とする。このため次世代放射光施設が完成すればスプリング8と互いに補完する役割を担う予定だが、次世代放射光施設は、その特長から新薬の発見や、新たな触媒、高分子材料、磁性材料の開発などにより威力を発揮すると期待されている。

計画では次世代放射光施設は円周325~425メートル程度の円形。建設費用は用地取得・土地造成経費を除いて約340億円程度を想定。国のほか提携先となる地元もかなりの額を負担する。建設予定地は仙台市青葉区にある広大な敷地に構想中の「東北大学青葉山新キャンパス」の一角。文部科学省が国の運営主体である量子科学技術研究開発機構(QST、千葉県千葉市)とともに整備、運営に当たる提携先を募集し、光科学イノベーションセンター、宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会の5者連合体が提案書を提出していた。

宮城県をはじめ東北経済連合会や宮城県周辺の大学などは、2011年の東日本大震災の後、「次世代の放射光施設を建設することにより被災地を世界の研究開発の中心につくり変える」と産官学が連携して建設誘致計画を推進してきた。 林芳正文部科学大臣は3日の閣議後記者会見で「(次世代放射光施設が)多くの研究者が利用し訪れる知の拠点として少しでも復興に役立つことを期待している」などと述べた。

文部科学省資料によると、米国や台湾、スウェーデンでは軟X線を使う次世代放射光施設が既に完成している。

図1 次世代放射光施設と周辺環境(東北経済連合会、東北大学、宮城県、仙台市、光科学イノベーションセンターの5者提供/5者連名による次世代放射光施設の提案書から)
図1 次世代放射光施設と周辺環境(東北経済連合会、東北大学、宮城県、仙台市、光科学イノベーションセンターの5者提供/5者連名による次世代放射光施設の提案書から)
図2 次世代放射光施設のイメージ図(文部科学省提供)
図2 次世代放射光施設のイメージ図(文部科学省提供)
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