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政府代表と科学者による一元的情報発信体制提言

掲載日:2011年4月6日

日本学術会議は5日、東日本大震災に関する緊急提言を発表、この中で福島第一原子力発電所事故への対応として、科学者が大きな役割を果たす一元的な情報発信体制の構築を提言した。

日本学術会議は提言の中で、「放射性物質の放出・拡散と福島第一原子力発電所事故への対応に関する情報発信は社会に大きな不安を生み出した」と現状を断じている。一元的とは、政府の代表ととともに科学者が直接に市民に説明する情報発信体制を指しており、それによって「科学的に信頼でき、かつ、政治的に責任を持った情報発信」が可能になるとしている。

また、情報発信に際して「その事態の中で市民が行動する基準を明確に示し、その行動を支える体制をとる」ことを提言、「行動の指示から生じる法的責任を恐れてあいまいな態度をとることは、かえって市民の安全を損ない『風評被害』などの問題を引き起こす」と警告した。

福島第一原子力発電所の事故に関しては、十分なデータが開示されていないという批判が国際原子力機関(IAEA)をはじめとする海外諸国から聞かれる。提言は国、関係機関、東京電力に対し「情報を完全に開示し、国内の科学者の協力の下、関係外国機関、外国研究者の支援を適切に求め、国際的に信頼される情報の発信をする」よう求めている。

また避難者への援助と正確な情報伝達、避難地域農業者への早急な補償、事故対応にあたる作業者の安全確保などを求める一方、「全国の原子力発電所に対し、国内的、国際的な基準に基づいた安全性の総点検を行い、基準に満たない原発の稼働を止めるなどの方策をすぐに進めるべきだ」と原子力発電に対する厳しい見方を示した。

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