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野口さんが船外活動を実施、星出さんは飛行控え意気込み語る

2021.03.08

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の宇宙飛行士、野口聡一さん(55)が日本時間5日夜から6日未明にかけ、船外活動を行った。米国人飛行士とペアを組み、新型太陽電池パネルの取り付け準備作業を完了した。日本人の船外活動は3年ぶり10回目で、最多の4回目となった野口さんは累計時間で日本人最長となった。一方、来月にもISSに向かう星出彰彦さん(52)が会見し、船長任務の意気込みなどを語った。

船外活動を始めた野口聡一さん=日本時間5日午後9時ごろ(NASAテレビから)
船外活動を始めた野口聡一さん=日本時間5日午後9時ごろ(NASAテレビから)

 野口さんとリーダー役のキャスリーン・ルビンズさん(42)は減圧症予防の準備を経て、5日午後8時37分に船外活動を開始した。米航空宇宙局(NASA)は経年劣化した太陽電池パネルの出力を補うため、新型パネルを追加する作業を進めている。今回はISSに8セットある既存パネルのうち1つの根元に、新型パネルを加えるための架台を取り付けた。パネル自体は6月に地上から届けられる。

 2人は船外活動で使う足場を移動させる追加作業も実施した。故障した映像送受信機の交換なども予定されていたが、時間の制約で見送られた。6日午前3時33分に活動を終了した。野口さんは船内に戻る際の3時25分ごろ、米テキサス州にある管制室に向け「ありがとうございました。素晴らしい体験でした」と日本語で話した。

工具で作業する野口さん(左上)=6日午前零時20分ごろ(NASAテレビから)
工具で作業する野口さん(左上)=6日午前零時20分ごろ(NASAテレビから)

 野口さんは2005年にスペースシャトル「ディスカバリー」で初飛行した際には、3回の船外活動のリーダーとして、03年のシャトル「コロンビア」の空中分解事故の一因となったシャトル耐熱タイルの補修試験などを任されている。今回の活動時間は6時間56分。累計では27時間1分となり、過去3回で21時間23分の星出さんを抜き日本人最長となった。

 日本人2人目となるISS船長を務める星出さんは、2日のオンライン会見に米テキサス州から参加。「しっかりチームをまとめ上げたい。コロナ禍で世界的に大変な状況だが、飛行士一丸となり活動して良いメッセージを伝えたい」と気を引き締めた。

 星出さんの飛行は3回目で、2012年以来。ISSに半年滞在する。前回からの9年間にISSではコンピューターの性能や通信速度の向上、民間区画の設置などの変化があり、これらについて訓練で学んだと説明。「作業性が上がった。ISSは年数は経ったが、中身は入れ替わって発展したと感じる」とした。

オンラインで会見する星出彰彦さん=2日、米テキサス州(宇宙航空研究開発機構=JAXA=提供)
オンラインで会見する星出彰彦さん=2日、米テキサス州(宇宙航空研究開発機構=JAXA=提供)

 米欧の3人とともに、米国の新型宇宙船「クルードラゴン」の本格運用2号機に搭乗する。宇宙船とロケット1段機体はいずれも、過去の飛行で使われた再使用品となる。これについては「点検や改修を細かくやっている。再使用品はイメージとしては中古でも、言い換えると既に飛行実証されたもの。歴史的な機体を使えて光栄だ」とし、不安はないと説明した。

 訓練はコロナの影響を受けてきたという。「非常に難しかった。1年前、訓練が本格化する矢先にコロナが大変な状況になった。最初はリモートで説明を受けることが中心だったが、ハードウェア関連や飛行士が一緒に行う訓練はどうしても、宇宙センターに行かねばならない。皆さんと同じようにマスクをして距離を取り、各国の訓練チームの工夫と努力で進めてきた」と述べた。

 NASAは星出さんらの出発日を4月22日以降としている。昨年11月から半年の予定で滞在中の野口さんに続き、星出さんが予定通りISSに到着すれば、史上2回目の日本人同時滞在が短期間ながら実現する可能性がある。

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