南極海に出現した長方形の大きな氷山を米航空宇宙局(NASA)の航空機が捉え、画像を24日に公開した。NASAの研究者は「このような氷山は見たことがない」と驚いている。
画像は、NASAが極地の変化を長期的に調べる「アイスブリッジ観測」に参加する航空機に搭乗した研究者が南極大陸西部にある南極半島の東側で10月16日に撮影した。NASAは10月10日から11月18までの予定で「ラーセンA」「ラーセンB」「ラーセンC」と呼ばれる南極の棚氷や氷山を観測していた。その課程で南極半島の東側にある棚氷「ラーセンC」の近くで長方形の氷山を見つけたという。
この氷山は、表面は平らで側面は垂直な壁になっており、自然でできたとは思えないような真四角になっている。大きさは不明だが、付近の南極海に浮かぶ多くの氷山と比べてもかなり大きい。観測した研究者は「まっすぐな縁を持つ氷山はときどき見るが、このような直角の角を持つものは見たことがない」としている。この珍しい氷についてNASAは棚氷「ラーセンC」から分離したとみているが、どのような原因でこのような形になったかは分かっていない。
NASAは昨年3月に南極域の海氷面積が観測史上最小になった、と発表している。NASAは南極や北極の海氷などの変化と地球温暖化との関係を調査研究している。今回の珍しい氷山の出現と気候変動の関係は不明だ。
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