国立科学博物館は5日、未来に引き継ぐのにふさわしい重要科学技術史資料(未来技術遺産)の2017年度登録対象に、鮮明映像のカラーテレビで知られるソニーの「トリニトロンテレビ」や人間型ロボット「プロメテ」など15件を新たに選定し登録した、と発表した。未来技術遺産の登録は2008年に始まり、合計240件となった。
今回登録されたのは以下の15点〈「」内は選定理由、( )カッコ内は所在地、所有者、製作年〉
- 36型HD(ハイビジョン)トリニトロンテレビKW-3600HD「最初期の家庭用高輝度ハイビジョン受像機」(愛知県一宮市、ソニー、1990)
- HRP-2 PROMET(プロメテ)「人と一緒に働くヒト型ロボット」(東京都中央区、カワダロボティクス、2003)
- 三六式無線電信機「世界最高性能を誇った無線電信機」(神奈川県横須賀市、公益財団法人三笠保存会、1959〜1960頃)(複数年)
- フジカラーREALA「世界初の第四の感色層を有するカラーネガフィルム」(神奈川県南足柄市、富士フィルム、1989)
- NE式携帯用写真電送装置「世界最高性能の国産写真電送装置」(千葉県市川市、日本郵政、1936)
- 全電子式時分割形交換機AO-1「電子化、デジタル化の嚆矢となった日本初の全電子式時分割形交換機」(埼玉県さいたま市、芝浦工業大学、1958)
- C400形クロスバ交換機「電話加入の積滞解消を実現した高機能クロスバ交換機」(東京都武蔵野市、日本電信電話情報ネットワーク総合研究所、1965)
- フレットミル(粉砕機ローラー)「近代の建設技術を拓いたセメント製造設備」(東京都江東区、太平洋セメント、1875〜1882頃)
- セメント製造用蒸気機関「近代の建設技術を拓いたセメント製造用動力機器」(山口県山陽小野田市、太平洋セメント、1882〜1883)
- 旧小野田セメント製造株式会社竪窯「近代の建設技術を拓いた唯一完存するセメント製造竪窯」(山口県山陽小野田市、太平洋セメント、1882〜1883)
- 高圧法低密度ポリエチレンのパイロット試験資料「ポリエチレン製造技術開発の先駆的資料」(京都府宇治市、京都大学化学研究所、1951〜1954)
- 上下反転自由プラウ1頭7分曳「20世紀後半の北海道開拓に活躍した国産プラウ」(北海道空知郡、土の館、1952)
- プラスチックプラウ GY16×4「北海道農業の大規模化に合わせ独自開発した高性能プラウ」(北海道空知郡、土の館、1972)
- 高力率型交流アーク溶接機LAW-300-3型「進相コンデンサで省電力を実現したアーク溶接機」(大阪府豊中市、パナソニックスマートファクトリーソリューションズ、1961)
- トランジスタ式直流溶接電源TR-800「パワー・トランジスタでアーク溶接技術の発展に貢献」(兵庫県神戸市、ダイヘン、1980)
関連リンク
- 国立科学博物館プレスリリース「平成29 年度の国立科学博物館「重要科学技術史資料(愛称: 未来技術遺産)」15 件の登録と登録証授与式およびパネル展 示について」
- 2017年度登録「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」