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1メートルの階段を上れるヘビ型ロボット 電通大と金沢大グループが開発

2017.04.05

 1メートルの段差がある階段を巧みに上り下りできるヘビ型ロボットを開発したと、電気通信大学と金沢大学の研究グループが4日発表した。将来はプラントやインフラの保守点検のほか災害調査などへの活用ができるという。

 電気通信大学大学院情報理工学研究科の田中基康(たなか もとやす)准教授と金沢大学 理工研究域機械工学系の鈴木陽介(すずき ようすけ)助教らの研究グループが開発したヘビ型ロボットは、17個の関節用モーターと10個の車輪用モーターを連結し、ヘビ型の胴体の長さを生かして障害物を乗り越えることができる。全長173センチ、重さ約9キロで、操作者は先頭と最後尾に取り付けられたカメラ映像を見ながら無線遠隔操縦できる。動作可能時間は約1時間で、高さ1メートルの段差を上り下りできるという。

 研究グループによると、災害予防の観点からも老朽化したプラントやインフラの点検や補強、修繕は重要だが、これまでのロボットでは、複雑に入り組んだ構造の中の狭い通路を抜けたり階段を上ることが難しかった。田中准教授らは、車輪の接地状態を正確に検出して段差などでも適切なタイミングで関節用モーターを稼動させる「近接覚センサ」を活用。これをロボットの底部に搭載してロボットが構造物に引っかかることなく移動できるようにしたという。

 この研究は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環として進められた。プログラム・マネジャーの田所諭(たどころ さとし)東北大学大学院情報科学研究科教授は「プラントの巡回点検は事故防止や災害発生時の被害拡大防止のために重要だ。ロボットによる遠隔自動化が期待されているが、プラントには狭い場所や急な階段が多く、ロボットの通行が困難な場所が多い。(今回の研究成果は)車輪を多数使った索状ロボットにより、こうした場所でも安定して走行することを可能にした」などとコメントしている。

写真1 ヘビ型ロボットが高さ1メートルの段差を上る様子〔提供・電気通信大学・金沢大学研究グループ〕
写真1 ヘビ型ロボットが高さ1メートルの段差を上る様子〔提供・電気通信大学・金沢大学研究グループ〕
写真2 ロボット底部に搭載された近接覚センサ〔提供・電気通信大学・金沢大学研究グループ〕
写真2 ロボット底部に搭載された近接覚センサ〔提供・電気通信大学・金沢大学研究グループ〕

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