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日本の「京」がビッグデータ解析で1位 スパコン性能

2016.07.14

 大量のデータを処理して役に立つ情報を引き出すビッグデータ解析に関する性能ランキングで、日本のスーパーコンピューター(スパコン)「京(けい)」が中国の新型機を抑えて1位になった。科学技術振興機構(JST)が13日発表した。2位は計算速度ランキングでは1位の中国の「神威太湖之光」だった。

 京が選ばれたのは、「大規模グラフ解析」に関する国際的な性能ランキングの「Graph500」。大規模グラフ解析の性能は、大規模で複雑なデータ処理が求められるビッグデータ解析に重要。中国の新型機の「神威太湖之光」は6月に計算速度を競うランキングに初登場し、京の9倍の計算速度を示して1位、京は5位だったが、プログラムの総合力や記憶データを読み込む能力などが試されるビッグデータ解析に関する性能では京に軍配が上がった。Graph500での1位は2015年11月に続き3期連続(通算4期)でこの分野での実力を世界に示した。

 今回のランキングの対象になった京による大規模グラフ解析は、九州大学、東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通株式会社が参加する国際共同研究グループにより行われた。

 Graph500は世界のスパコンの専門家が選定し、2010年から半年に1回大規模グラフ解析のランキングを発表している。「神威太湖之光」は今回初登場で2位、3位は米ローレンス・リバモア研究所の「セコイア」だった。

 スパコンは科学技術力を示す有力な指標の一つとされ、日本、米国、中国や英国、ドイツ、フランスなどが国を挙げて開発競争を続けている。米国や日本は1秒間に京より100倍も速く計算ができる次世代スパコンの開発計画を進めている。

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