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日本学士院賞に森氏ら9人

2016.03.15

 日本学士院は14日、優れた業績を挙げた研究者に贈る日本学士院賞に、細胞内小器官でタンパク質が正しく機能するためにどのような仕組みが働いているかを解明した森和俊(もり かずとし)京都大学大学院理学研究科教授(57)ら9人を選んだと発表した。森氏には恩賜賞も贈る。また、自然保護の分野の研究者に隔年で贈る日本学士院エジンバラ公賞には、植物成長ホルモンと食糧生産性向上の関係を研究して成果を挙げた松岡信(まつおか まこと)名古屋大学生物機能開発利用研究センター教授(60)を選んだ。

受賞者と授賞理由は次の通り。【日本学士院賞・恩賜賞】

  • 森和俊(もり かずとし)京都大学大学院理学研究科教授、分子生物学、57歳。細胞内にある小胞体と呼ばれる小器官でタンパク質が正しく機能するためにどのような仕組みが働いているかを解明。

【日本学士院賞】

  • 河内良弘(かわち よしひろ)京都大学名誉教授、天理大学名誉教授、東洋史学、87歳。満州語辞書を完成。
  • 宮本憲一(みやもと けんいち)大阪市立大学名誉教授、滋賀大学名誉教授、環境経済学・財政学、86歳。戦後日本公害史を分析。
  • 西田栄介(にしだ えいすけ)京都大学大学院生命科学研究科教授、細胞生物学、62歳。細胞の増殖と分化を制御する酵素を発見。
  • 森田浩介(もりた こうすけ)九州大学大学院理学研究院教授、理化学研究所仁科加速器研究センター超重元素研究グループ・グループディレクター、物理学、59歳。原子番号113番の新元素を発見し、元素の命名権を得た。
  • 井上博允(いのうえ ひろちか)東京大学名誉教授、カワダロボティクス(株)取締役技師長、機械工学、73歳。感覚と知能を持つロボットの基盤技術の開拓を先導。
  • 北川進(きたがわ すすむ)京都大学物質―細胞統合システム拠点長・教授、京都大学大学院工学研究科教授、錯体化学、64歳。有機分子と金属イオンを組み合わせた「多孔性金属錯体材料」を開発。
  • 河岡義裕(かわおか よしひろ)東京大学医科学研究所教授、米国ウイスコンシン大学獣医学部教授、東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長、京都大学客員教授、ウイルス学、60歳。インフルエンザウイルスを効率的に人工合成する技術を開発。
  • 三品昌美(みしな まさよし)立命館大学教授、分子脳科学、68歳。脳神経の細胞間で情報を伝達するシナプス分子と記憶・学習に関する研究成果。

【日本学士院エジンバラ公賞】

  • 松岡信(まつおか まこと)名古屋大学生物機能開発利用研究センター教授、作物遺伝育種、60歳。植物成長ホルモンと種の保全、植物多様性、食糧生産性向上との関係の研究成果。

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