地球全体の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が今年5月に月平均で約398.8ppmに達したことが、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」による観測データから明らかになった。国立環境研究所は、このままの上昇傾向が続けば、遅くとも来年中に400 ppmを超えるという見通しを示した。
「いぶき」は、同研究所と環境省、宇宙航空研究開発機構が開発した温室効果ガス観測衛星で、2009年1月に打ち上げられて以来、地表近くから上空までの大気に含まれるCO2とメタンの濃度を観測している。
地球全体の大気に含まれるCO2の月別平均濃度は、北半球の植物の光合成が活発になる北半球の夏に下がり、光合成が弱くなる北半球の冬に上がる変動を繰り返しながら年々上昇している。月別平均濃度に加え、今年7月時点の前後半年間をとった推定経年平均濃度を「いぶき」の観測データから算出したところ、約398.2 ppmとなった。
国立環境研究所は、月別平均濃度、推定経年平均濃度のいずれも来年中には400ppmを超える見込みと言っている。
関連リンク
- 国立環境研究所プレスリリース「温室効果ガス観測技術衛星『いぶき』(GOSAT)の観測データに基づく月別二酸化炭素の全大気平均濃度の公表について」