気象庁は6月30日、箱根・大涌谷でごく小規模な噴火が発生したと判断、新たな火口周辺警報を発表し、箱根山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)からレベル3(入山規制)へ引き上げた。
同庁によると、神奈川県温泉地学研究所と気象庁火山機動観測班の現地調査で29日、大涌谷に新たな噴気孔が見つかった。さらに、30日には噴気孔の周囲に火山灰などの噴出物が堆積したとみられる盛り上がりが確認された。また、箱根ロープウェイ大涌谷駅付近で降灰を確認した。
同庁は、大涌谷周辺、半径700メートル程度の範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとみており、噴火が起きた場合、飛散する大きな噴石に警戒するよう呼びかけている。
火口周辺警報は、レベル1(予報)から、レベル5(特別警報)まで5段階に分かれている。今回のレベル3は、居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生するか、発生すると予想される場合に出される。住民は通常の生活を続けてもよいが、入山規制のほか状況に応じ要援護者の避難準備などを求められる。登山者、入山者に対しては危険な地域への立ち入りを規制する。
もし、居住地域に重大な影響を及ぼす噴火が発生すると予想される事態になると、レベル4(避難準備)の特別警報が出される。警戒が必要な居住地域での避難準備、災害時要援護者の避難などが必要とされる。さらに事態が切迫するか実際に噴火が起きた場合には、レベル5の特別警報が出て、住民たちは危険な居住地域からの避難を求められることになっている。
大涌谷周辺では4月下旬から火山性地震が増加、気象庁は5月6日、火口付近への立ち入りを規制する噴火警戒レベル2の火口周辺警報を出していた。
関連リンク
- 気象庁報道発表資料「箱根山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げ」