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サミット向け各国学術会議の共同声明 首相に手渡し

2015.05.08

 日本学術会議の大西隆会長は7日、安倍首相に主要各国のアカデミーと共同でまとめた「Gサイエンス声明」を手渡した。

 この声明は、6月7、8日にドイツのシュロス・エルマウで開催されるG7サミットに向けたもので、2月下旬にドイツで開催されたGサイエンス学術会議会合でまとめられた。「感染症と抗菌剤耐性」「熱帯病」「海洋」の3つのテーマについて、それぞれ「科学者コミュニティーと企業の協働による国際協力」や「低所得・中間所得国への支援」などを提言している。

 G7サミットが開催されるドイツのアカデミーは、既に4月29日にこの声明をメルケル首相に提出しており、その他日本以外の各国アカデミーも同じ時期にそれぞれの国の首脳に届けている。

 Gサイエンス学術会議会合は、2013年の「Gサイエンス声明」でも、「病原微生物の薬剤耐性問題」への早急な取り組みを各国首脳に求めている。今回の「感染症と抗菌剤耐性」に関する声明では、2013年6月のG8 科学技術大臣共同声明に抗菌薬の薬剤耐性問題が盛り込まれたことを評価しながら「新しい抗菌剤、ワクチンや診断法の発見・登録・生産を加速する」など具体的な取り組みを挙げて、いっそうの努力を求めた。

 「海洋」に関しては、温室効果ガスの排出などにより、海洋が大規模な脅威に直面している現状を指摘した上で、以下のような4つの具体的行動を求めている。

  1. CO2排出量 を国家レベルで抑制する。
  2. 人為的な海洋汚染を削減し、規制を強化する。
  3. 水産物の乱獲を防止し、科学的調査に基づいた管理によって海洋の生物多様性と生態系の機能を維持する。
  4. 国際的な科学協力を推進し、海洋の変化および人間社会と環境への影響を予測・管 理・緩和する。

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