気象庁は、日本と世界の今年(2013年)の天候についてまとめた(速報値)。
日本の気温〜高知・四万十で歴代最高41.0℃
日本の今冬(12-2月)は、周期的に強い寒気が南下したため、北・東日本で2年連続、西日本では3年連続の寒冬となった。とくに北日本の日本海側で降雪量は多く、2月末には青森市・酸ケ湯で、国内歴代最高の積雪566cmを記録した。
夏(6-8月)は太平洋高気圧の勢力が強く、全国で暑夏となった。とくに西日本は気温が平年より1.2℃も高く、1946年の統計開始以来の最高温となった。高知県四万十市では8月12日に、歴代最高気温となる41.0℃を観測した。
大雨・台風被害〜伊豆大島で大規模土砂崩れ
雨については、夏に東日本と東北の日本海側で降水量がかなり多かった。とくに7月28日は山口県と島根県、8月9日は秋田県と岩手県、同24日は島根県で記録的な豪雨となった。秋(9-11月)は、全国的に台風や秋雨前線の影響でたびたび大雨に見舞われ、11月には低気圧や寒気の影響で、日本海側で雨の日が多かった。このため降水量の平年比は北日本の日本海側で135%、東日本の日本海側で162%と、これまでの最多記録を更新した。
台風の発生数は平年(25.6個)よりも多い31個で、19年ぶりに30個を超えた。日本への接近数は14個と平年(11.4個)よりも多く、9-11月は1951年以降で最多の、66年と同じ9個(平年4.8個)だった。9月中旬に上陸した台風18号の影響で福井県や滋賀県、京都府で記録的な豪雨となり、3府県に初の“大雨特別警報”が出された。10月16日には、台風26号による記録的豪雨で、東京都大島町の伊豆大島で大規模な土砂崩れ災害が起きた。
世界の気温〜2番目の高温
2013年の世界の年平均気温は、1981-2010年の30年間平均よりも0.20℃高く、統計開始の1891年以降では2番目に高かった。世界の年平均気温は、100年あたり0.69℃の割合で上昇しており、特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっている。2013年の日本の年平均気温は、30年間平均よりも0.40℃高く、1891年以降では8番目に高かった。日本の年平均気温は、100 年あたり1.15℃の割合で上昇している。
世界の異常気象と災害〜フィリピンに台風30号直撃
世界では、東日本から中国中部にかけて3月と7-8月は異常高温となった。上海市のシージャーホゥエイ(徐家匯)では、8月7日に統計開始(1872年)以降で最高の気温40.8℃を記録した。オーストラリアでは1月と3-4月、7-10月に異常高温となった。このほかフィリピンでは11月に台風30号の直撃で6,000人以上が死亡した。インド・ネパールでは6月に大雨災害、パキスタン・アフガニスタンでも8月に大雨による大きな災害が発生した。
- 東シベリア南部の洪水(7-9月)
- 東日本〜中国中部の高温(3、7-8月)
- 東日本、西日本の少雨(3、5月)
- フィリピンの台風30号(11月)
- インドシナ半島の大雨(9-10月)
- インド・ネパールの大雨(6月)
- パキスタン・アフガニスタンの大雨(8月)
- ヨーロッパ北部の高温(5-6、8-9月)
- ヨーロッパ西部の低温(3-6月)
- ヨーロッパ東部〜中部の多雨(1-3、5-6月)
- ソマリアのサイクロン(11月)
- モザンビーク・ジンバブエの大雨(1月)
- モーリシャス〜マダガスカルの高温(9〜11月)
- 米国東部、その周辺の多雨(1、4-6、10月)
- メキシコのハリケーン「Manuel」「Ingrid」(9月)
- ブラジル東部の高温(1-4、6月)・少雨(2-3月)
- オーストラリアの高温(1、3-4、7-10月)