ニュース

皮膚若返らせる化粧品大学発ベンチャー販売へ

2012.03.13

 京都大学の研究者が合成した化合物が、皮膚を若返らせる効果を持つ化粧品として製造、販売されることになった。化合物を設計・合成した平竹潤京都大学化学研究所教授らは2日、ベンチャー企業「ナールスコーポレーション」(松本和男代表取締役)を設立しており、「ナールスゲン」の商品名で販売する。

 「ナールスゲン」は、ヒト皮膚線維芽細胞に働きかけて、皮膚のつやや弾力を保つ繊維状タンパクであるコラーゲンの産生を2−3倍促進させる。さらに同じ役割を持つタンパク、エラスチンの産生も1.5倍以上、促進することが確かめられている。

 細胞レベルと動物を使った実験に加え、3カ月間、人の肌に塗って効果をみるモニター実験でも発がん性、毒性、副作用がなく、肌の保湿効果、弾力性向上、しわの適度な改善効果があることも分かったという。今後5年間で、1億7,000万円の売り上げとともに、医薬部外品の許認可を得て薬用化粧品として売り出すことも目指すとしている。

 この事業展開は、平竹教授を開発代表者とする科学技術振興機構の研究成果最適展開支援事業(A-STEP)の研究開発成果によっている。

関連記事

ページトップへ