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福島第一原発中長期対策で意見募集

2011.11.14

 原子力委員会は11日、東京電力福島第一原子力発電所における中長期措置に関する検討結果(案)について、一般からの意見募集を始めた。締め切りは12月1日。中長期措置案は対策専門部会(部会長・山名 元・京都大学 原子炉実験所 教授)がまとめたもので、廃炉作業が完了するまで30年以上の期間が必要だとしている。

 原子炉から燃料を取り出す技術については、米スリーマイルアイランド原子力発電所事故で使われた技術を活用し、必要な費用は東電だけでなく、国や自治体、原子力産業界も負担することなどを求めている。また、溶融した燃料の取り出しに向けた研究開発課題と工程表も作成した。

 政府は、4月に福島第一原子力発電所に対する当面の対策スケジュールを公表し、今年中に「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」状況にするとしている。中長期措置はこの後の作業についてまとめたもので、溶融した燃料の残がいや燃料プール内の燃料を原子炉本体、原子炉建屋から取出して安全な場所に移す作業のスケジュールを示した。

 燃料プールからの燃料取り出し作業においては、原子炉建屋を覆うカバーまたはコンテナの設置、共用プールへ燃料を移送する輸送容器・収納缶の設計・製造などが必要としている。また圧力容器底に溶け落ち、その一部は格納容器まで漏出しているとみられる燃料残がいを圧力容器や格納容器から取り出すためには、格納容器を圧力容器ごと水張りする措置のほか、燃料残がいが臨界となることを防止、監視するための技術なども必要になる、とした。

 燃料プールからの燃料取り出しを開始までの期間は3 年以内、燃料残がい取り出し開始までの期間は10 年以内を目標としている。また、これらの作業を進めるに当たっては国際協力が重要であることも指摘している。

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