東京都世田谷区は12日、世田谷区の区道上で周辺より放射線量の測定値が高い個所が見つかった、と発表した。
放射線が高い個所は、幅2メートル、高さ1.5メートルという限られた範囲で、6日の測定では放射線量は1時間当たり0.088-2.707マイクロシーベルトだった。区は、その付近を通っても健康への影響は心配ないとしているが、近くには保育園や学校もあり、カラーコーンを置いて注意を呼び掛けている。
世田谷区は東京都から貸与された測定器による区内66カ所の放射線量を7月26日に公表しているが、この時の値は1時間当たり0.2-0.11マイクロシーベルトだった。今回、放射線量が高い場所が見つかったきっかけは、区民からの情報提供による。
原子力安全委員会が1年間の積算放射線量を計算する際の考え方は、その場所に1日の3分の1おり、残り3分の2は屋内にいるという条件を設定している。屋内の場合、木造家屋内では屋外にいる場合の4割に放射線量が減るとみなしている。この計算法によると、今回、測定された放射線量は1年間の積算放射線量にすると200マイクロシーベルト(0.2ミリシーベルト)-14ミリシーベルトという値になる。
福島第一原子力発電所事故後に政府がとった計画的避難区域設定の考え方は、1年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達する恐れがある区域となっている。また、20ミリシーベルトの根拠としては、国際放射線防護委員会(ICRP)と国際原子力機関(IAEA)の緊急時被ばく状況における放射線防護の基準値(20-100ミリシーベルト)を考慮したとされている。