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色素増感太陽電池で最高のエネルギー変換効率

2011.08.26

 製造コストが安くて済む太陽電池として期待が大きい色素増感太陽電池として、これまでで最も高いエネルギー変換効率を持つ新しい電池を物質・材料研究機構の研究チームが開発した。

 現在、最も普及しているシリコン太陽電池は、最高で20%近いという高いエネルギー変換効率を持つ。しかし、製造工程で高温や高真空装置が必要なため発電コストが高い問題を抱えている。色素増感太陽電池の長所は、酸化チタン、色素、ヨウ素系電解質といったありふれた材料を利用していることに加え、高温、高真空という高コストの製造工程が必要ないこと。課題はエネルギー変換効率を上げることで、2006年にシャープが報告した11.1%がこれまでの最高値だった。

 物質・材料研究機構の韓礼元・太陽光発電材料ユニット長らは、色素の増感作用を十分に発揮できる新しい増感促進剤を開発、色素増感太陽電池としては、これまでの記録を上回る11.4%というエネルギー変換効率を達成した。増感促進剤がどのようなものかについての詳しい説明はない。

 この成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)研究領域「太陽光を利用した独創的クリーンエネルギー生成技術の創出」の一環として得られた。

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