枝野官房長官は22日、午前、午後の記者会見で福島第一原子力発電所周辺地域の今後の見通しについて触れ、「原発に近い所を中心に、大変高い放射線量の地域がある。長期にわたって住民が戻れない可能性があることを視野に入れて、地元と相談したい」という考え方をあらためて示した。
枝野官房長官は、詳細なモニタリングと除染を精力的に進めていくことを強調したうえで、「長期にわたって住民が戻るのが困難な地域がどのくらいの範囲と期間になるかをできるだけ早い機会に伝えたい」と語った。
政府の原子力対策本部は9日、「避難区域等の見直しに関する考え方」を明らかにしている。この中で、警戒区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域について、原子炉施設の安全性、放射線量のモニタリング、住民の生活環境の復旧状況を判断して見直しを行い、段階的に住民の帰還を始める、という考え方を示した。
一方、「原子力発電所安定後も継続するリスク(廃炉プロセスにおける周辺環境への影響など)や極めて高い線量などの理由により相当長期にわたり住民の帰還が困難な区域の存在も明らかになる」可能性を認め、このような区域については「地元自治体と長期的な復興対策の在り方について十分相談し、長期的な対応策を検討したい」としている。