日立製作所、三菱電機、三菱重工業の3社が、水力発電システム事業を統合、新会社を設立することで合意したことを明らかにした。
3社はエンジニアリング・開発・設計機能を統合することで、世界トップクラスの高速・大容量・高落差の揚水発電技術などで競争力強化を図る。来年10月1日の営業開始を目指し、出資比率は日立が50%、三菱電機と三菱重工が残り50%となる。
大型水力発電所の建設計画が国内では減っていることから、今後、大規模水力発電施設建設が進むと予想される中国、中南米諸国、インドなどで欧州メーカーなどと競い合うことになる。
高品質・高性能の部品や製品の輸出は盛んだが、大きなシステム全体では欧米や韓国企業に後れを取っている。こうした現状を変え、システム技術の海外展開を図る必要があるとの声が官民挙げて高まりつつある。特に電機メーカーに対しては「大半の製品を手掛けているため、人、カネ、技術などのリソースが非効率に分散し、設備投資、研究開発投資、販売投資が中途半端となり、競争力をなくし、国内市場だけでシェアを分け合うガラパゴス化している」(NPO法人ブロードバンド・アソシエーション「IT国際競争力研究会」提言=2010年5月24日レビュー「IT産業脱ガラパゴス化への道は?」参照)など、事業内容を絞り込んだ業界再編を求める声も強まっている。