JR東海は25日、同社の新幹線システムと超電導リニアシステムを米国に売り込む計画を発表した。既に昨年、同社の東海道新幹線システム、超電導リニアシステムを海外市場でそれぞれ販売する独占的権利を有する会社2社が米国に設立されている。今回、数カ月間の調査結果を基に、参入可能な路線を絞り込み、今後事業化に向けた営業活動を積極的に進めていくとしている。
JR東海が海外展開を狙うシステムは同社の新幹線システムN700系を国際仕様にした高速鉄道システム「N700-I Bullet」と、東京-名古屋間で2025年の営業運転開始を目指している超電導リニアシステム「SCMAGLEV」。
米政府は景気対策として今年80億ドル(約7,200億円)を高速鉄道建設に投じることを明らかにしている。JR東海は、近い将来、同社の新幹線システムが採用される可能性のある候補地として、フロリダ州のタンパ - オーランド - マイアミ間、ネバダ州ラスベガス - カリフォルニア州ロサンゼルス間のほか、テキサス州や中西部の路線を挙げている。
また、超電導リニアシステム「SCMAGLEV」が参入可能な路線としてもメリーランド州ボルチモア - ワシントンDC間、テネシー州チャタヌーガ - ジョージア州アトランタ間のほかペンシルバニア州などを挙げた。さらに両システムとも将来は米国以外への展開も狙っていくとしている。
葛西敬之・JR東海会長は、2008年末に行われた日本記者クラブ主催の記者会見で、2025年の東京-名古屋間の東海道新幹線バイパス(中央新幹線)営業運転に自信を示したのと併せ、「世界に21世紀型の陸上輸送を波及させたい」と海外展開への強い意欲を明らかにしていた。