世界平和アピール七人委員会は、来年10月に名古屋で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議に向けて、生命と多様性を尊重する責任の重さを訴えるアピールを6日発表した。
アピールは、市場経済を生命系維持的経済に融合させる方向で、多様な生命体の絶滅を食い止めるグローバルな経済改革を推進するよう世界各国の政府と市民に訴えている。具体的な方策としては、生命系維持的経済を維持している先住民族共同体や伝統的な「むら」共同体の知識・工夫・慣習に学ぶ必要を挙げ、さらに、里山との共生など生命系維持的経済の伝統を守り続けているアジア、アフリカ、ラテンアメリカの農・山・漁村の経済を自立的に再生させ、生命の多様性を損なっている均質化やグローバル化から解放しなければならない、としている。
世界平和アピール七人委員会は、1955年に湯川秀樹、平塚らいてう、茅誠司氏ら7人の知識人によって結成され、現在の委員は、武者小路公秀(元国連大学副学長)、土山秀夫(元長崎大学長)、大石芳野(写真家)、井上ひさし(作家)、池田香代子(翻訳家)、小沼通二(慶應義塾大学名誉教授)、池内了(総合研究大学院大学教授)の7氏。核廃絶、憲法擁護などについて今回を含めこれまで99本のアピールを発表している。