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2,700億円研究基金の使い方に国民の声も

2009.06.15

 今年度の補正予算で急きょ浮上した総額2,700億円の「世界最先端研究支援プログラム」(仮称)に対し、どのような科学技術に期待するかを国民に問う意見募集を内閣府が始めた。

 申し込みサイトにある用紙に環境エネルギー、医療・健康・介護などと分野と実現を希望する科学技術を書いて、内閣府政策統括官(科学技術政策・イノベーション担当)へ、7月12日までに返送を求めている。

 世界最先端研究支援プログラムは、世界最高水準の研究を強力に支援することを目的としており、30程度のプロジェクトを選び、3-5年間、1プロジェクトあたり平均90億円の研究資金を投入する。規模、性格ともにこれまでにない大規模な研究支援策だ。研究者の不満が大きい単年度主義予算制度の制約、研究助成金の申請、執行、研究成果の評価などにかかる過大な雑務から研究者を解放し研究に専念してもらえるよう研究費の使い方について自由度の高い多年度運用を保障している。

 2,700億円は基金として日本学術振興会に設けられるが、研究費の配分先の選定は首相主導で進めることになっており、内閣府総合科学技術会議有識者議員が実質的に大きな役割を果たすと見られる。この機会に国民にももっと科学技術への関心を深めてもらい科学技術と国民の距離を縮めたい、という野田聖子・科学技術政策担当相の意向で国民の声を募集することになった。

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