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脳動脈瘤の関連遺伝子特定

2008.11.10

 
くも膜下出血の主原因となる脳動脈瘤(りゅう)の発生にかかわっていると見られる遺伝子を、東海大学総合医学研究所などの研究チームが発見した。今後、遺伝子がどのように脳動脈瘤の発生に関与しているかを研究することで、脳動脈瘤によって起きるくも膜下出血の予防や治療法開発につながると期待される。

 東海大学総合医学研究所の井ノ上逸朗・教授らは米エール大学医学部脳神経外科のムラート・グネル教授と共同で、日本、欧州の脳動脈瘤患者2,200人と脳動脈瘤を持たない8,000人のゲノムを比較した。DNAの配列がわずかだけ異なる「遺伝子多型」という現象を調べることで、病気の原因遺伝子を探す研究手法が使われた。

 研究の結果、脳動脈瘤患者とそれ以外のグループでは3つの遺伝子領域で明らかな差が見つかり、この3遺伝子領域が脳動脈瘤の発生にかかわっていることが突き止められた。

 脳動脈瘤は糖尿病や高血圧などと同様に複数の遺伝子だけでなく環境要因も複雑に絡み合って発生すると見られている。くも膜下出血は脳を覆うくも膜と軟膜の間にできた動脈瘤が破れて出血し、膜の間にあふれた血液によって脳全体が圧迫される。脳卒中の10%強を占めている。発症者の約半数が死亡、20%程度に重い後遺症が残る。

 この研究成果は、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の一環として得られた。

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