JR東日本はこれまで新幹線と首都圏在来線にのみ導入されていた「在来線早期地震警報システム」を、他の在来線にも2009年度から順次、広げると発表した。同社の新幹線、在来線の全線区に同システムが導入されることになる。
「在来線早期地震警報システム」は、同社の新幹線早期地震検知システムと気象庁の緊急地震速報を活用し、地震の初期微動(P波)を検知すると緊急停止が必要な区間を割り出し、無線で運転士に指示するシステム。同じシステムを最初に導入した新幹線に続き、昨年12月から首都圏の在来線にも導入、運用を始めている。
震源から最初に伝わる初期微動から想定される地震動の大きさを算出、一定以上の揺れが来ると判断されたときに緊急停止を指示する早期地震警報システムは、鉄道各社が取り入れている。JR東海の東海道新幹線で1992年に初めて導入された。2005年に完成した「東海道新幹線早期地震警報システム(TERRA-S:テラス)」により、地震検知から警報発信までの時間が3秒から2秒に短縮されている。