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南海トラフの巨大地震発生予測研究スタート

2008.04.10

 過去の経験から、連動して発生する恐れが大きい東海、東南海、南海地震について連動して起きる可能性と、被害の予測を研究するプロジェクトが今年度から5年計画でスタートする。

 文部科学省は、プロジェクトの中心実施機関として、海洋研究開発機構と東京大学地震研究所を選定し、公表した。海洋研究開発機構は「東海・東南海・南海地震の連動性評価のための調査観測・研究」を担当し、東京大学地震研究所は「連動を考慮した強震動・津波予測と地震・津波被害予測研究」を担当する。

 日本列島の太平洋岸沿い、駿河湾から東海沖、紀伊半島沖、四国沖にかけて伸びる南海トラフでは、過去、プレートのもぐり込みによる海溝型巨大地震が繰り返し発生している。発生の仕方は、連動の仕方に時間的な違いがあるものの、東海、東南海、南海それぞれの地震がしばしば続けざまに起きることが分かっている。1854年の安政大地震では、まず東海・東南海で地震が発生し、その32時間後に南海地震が起きている。また、1944年に東南海地震が起きた際は、2年後の1946年に南海地震が続いた。いずれも大きな被害を沿岸域に及ぼしている。

 1854年の安政地震の時には震源域に含まれていた駿河湾は、1944年と1946年に相次いで起きた東南海地震、南海地震の際には震源域からはずれていた。このため、地震を起こすエネルギーが駿河湾から東海沖東部にかけては解放されず、蓄積されたままになっているというのが、約30年前に石橋克彦氏(現・神戸大学教授)の唱えた「東海(駿河湾)地震説」の根拠の一つとなった。

 現在、地震の前兆が必ずつかまえられると考える地震学者はほとんどいないと思われるが、今回のプロジェクトでは、海底地震計や水圧計による地殻活動調査や、海底音波探査などによる地下構造の解明などにより、東海、東南海、南海の3つの地震が連動して起きる場合の、時間的、空間的な連動性を評価するモデル構築を目指す。

 また、スーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションなどにより、連動して地震が起きた場合の地震や津波による被害予測の高精度化に向けた研究も行う。

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