新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所6号機のクレーン走行伝導用継ぎ手が破損した原因は、地震によりクレーンを動かす方向に力がかかった結果、継ぎ手部分に過大なトルク(回転しようとする力)が生じたためであることが、東京電力の調査で明らかになった。11日、経済産業省原子力・保安院に報告された。
クレーンは、原子炉建屋の天井に据え付けられており、クレーン両端の走行車輪がレールに沿って動くことで全体が東西方向に移動するようになっている。破損した継ぎ手は走行車輪に電動機の力を伝える車軸の一部で、車輪と車輪に挟まれる形になっている。地震が起きた時、クレーン全体に東西方向の力がかかり、走行車輪にも東西方向に回転しようとする力が働いた。しかし、走行車輪はブレーキがかかった状態だったため、走行車輪と電動機の間に位置する継ぎ手部分に過大なトルクが発生、継ぎ手のクロスピンが破損した、と東京電力は推定している。
継ぎ手の金属調査、引っ張り試験などの結果で、継ぎ手自体の強度には欠陥がなかったことも確認された。