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地震研究の京大教授が論文不正 京大が図の改ざん、盗用を認定

掲載日:2019年3月27日

京都大学(山極壽一総長)は26日、地震地質学を専門とする林愛明(りん あいめい)理学研究科教授が2016年10月に米科学誌サイエンスに発表した熊本地震に関する論文に図の改ざんや盗用の不正があった、とする調査結果を発表した。大学側は林教授に論文の撤回を勧告し、今後処分する方針だ。

京都大学の発表によると、林教授は2016年4月に発生した熊本地震の震源地付近の実地調査結果などから「熊本地震により地表に現れた地割れや亀裂を調査した結果、阿蘇山地下のマグマだまりにより断層破壊が妨げられた可能性が高い」などとする論文をまとめた。論文は同年10月の科学誌サイエンスに掲載された。この論文は、もしマグマだまりがなければ、被害がより広範囲に及んだ恐れがあったことを示す内容で当時多くのメディアが紹介した。

京都大学には2017年8月に「林教授の論文は科学的に不正の疑いがある」とする情報提供があったという。同大学はこれを受けて、学内の関係者のほか外部委員も含めた調査委員会を立ち上げて事実関係を調べていた。発表によると、調査委員会は「論文の結論を導き出すために合計6個の図のうち4つの図に、故意あるか否かは判断できなかったが、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく反した行為による、改ざん・盗用が認められた」と結論付けた。共著者の研究不正への関与はなかったとした。

26日開かれた記者会見によると、林教授は、他の研究者の図を使ったことなどは認めながら、ケアレスミスで論文の結論は変わらない、という趣旨の主張をしているという。

※科学・科学技術の最新情報を提供するウェブサイト「サイエンスポータル」は、京都大学が出したプレスリリース「阿蘇山火山が妨げた熊本の地震断層破壊」やサイエンス掲載論文などを基に「阿蘇山に新たな断層あり、再噴火のリスクも 京大教授が熊本地震を解析」との見出しの記事を2016年10月25日に掲載しました。論文はまだ撤回されていませんが、今回の京都大学の認定を踏まえ、当該の過去記事を削除しました。

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