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大都市の地表面では40度を超す猛暑 地球観測衛星が捉えた画像をJAXA公開

2018.08.03

 大都市の地表面では40度を超えて一部では50度も超える猛暑になっているー。地球観測衛星「しきさい」が本州の地表面温度を1日午前に観測した画像を宇宙航空研究開発機構(JAXA)が同日午後公表した。

 観測は1日午前10時40分ごろで、画像は熱赤外の波長帯の観測による地表面温度を示している。東北南部から近畿地方や中四国の東部をカバーし、温度が高いほど濃い赤で示されている。昼前にも関わらず首都圏のほか、大阪府や京都市、名古屋市など、大都市周辺の広い範囲で40度以上の高温となり、猛暑に見舞われている様子がはっきりと分かる。

 JAXAによると、埼玉県熊谷市や京都市周辺では50度以上の高温だった。また、例えば東京都を、詳しく見ると都市部でも皇居や代々木公園など樹木が多い場所や緑地では、周りより温度がやや低くなっていたという。

 8月1日の東京都の最高気温は35.1度だった。今回公表された地表面温度のデータは、発表された気温が30度以上で35度前後の猛暑の場合、地表面は40度を超えがちで、長時間屋外にいると危険であることを示している。

 「しきさい」は大気や海、陸を観測し、地球温暖化の仕組みなどを調べるために昨年12月に打ち上げられた。高度800キロを回りながら2,3日で地表の全域を観測する。19種類の波長を観測できる光学センサ「多波長光学放射計(SGLI)」を搭載し、その中の熱赤外の波長帯の観測によって地表面温度を知ることができる。

図 「しきさい」が8月1日午前10時40分ごろに観測した地表面温度(提供・JAXA)
図 「しきさい」が8月1日午前10時40分ごろに観測した地表面温度(提供・JAXA)
画像 観測衛星「しきさい」の宇宙での想像図(提供・JAXA)
画像 観測衛星「しきさい」の宇宙での想像図(提供・JAXA)

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