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温暖化で一部地域は豪雪増加 気象研がシミュレーション

2016.09.26

 地球温暖化が進むと、今世紀末には国内全体の降雪量は減るものの北海道や北陸地方の内陸部などの一部地域では豪雪の頻度は増える-このようなシミュレーション結果を、気象研究所などの研究グループがまとめ23日発表した。研究グループはこうした結果を今後の防災対策や適応計画に考慮すべきとしている。

 気象研究所を中心に東京大学、京都大学、筑波大学などが参加する研究グループは、今世紀末に世界の平均気温が3度以上高くなったと仮定して日本の降雪量などをコンピューターシミュレーションした。その結果、国内全体の降雪量は減少。しかし気温が零度以下になる北海道と新潟、石川、富山の3県の内陸部などでは10年に1度しか発生しない豪雪の頻度が増加。北陸地方の沿岸部では、温暖化による気温上昇で雪ではなく雨が増えるが内陸部や山岳部では雪になるために豪雪への備えが必要になる−などが分かったという。

 これらの結果について研究グループは、温暖化の進行とともに日本海に現れる「風の収束帯(JPCZ)」と呼ばれる雪雲の帯ができて水蒸気が多く供給され、気温が低い内陸部は豪雪が発生しやすくなる、としている。

図 日本と日本周辺の将来の降雪量(水換算)の変化。青い領域は降雪が増えると予想される地域(気象研究所など研究グループ作成、気象研究所提供)
図 日本と日本周辺の将来の降雪量(水換算)の変化。青い領域は降雪が増えると予想される地域(気象研究所など研究グループ作成、気象研究所提供)

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