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科学技術イノベーション総合戦略2015を閣議決定

2015.06.24

 科学技術基本計画の下で今年度に重点的に取り組むべき項?を明示した「科学技術イノベーション総合戦略2015」が、19日の閣議で決まった。

 総合戦略2015は、科学技術イノベーションの創出に必要な政策分野として「イノベーションの連鎖を生み出す環境の整備」と「経済・社会的課題の解決に向けた重要な取り組み」の二つを設定している。

 環境整備が必要とされたのは、「若?・?性の挑戦の機会の拡?」、「?学改?と研究資金改革の?体的推進」、「学術研究・基礎研究の強化」、「研究開発法?の機能強化」、「中?・中堅・ベンチャー企業の挑戦の機会の拡?」。女性参画を促進するために、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を実現する支援策と共に、科学技術イノベーションへの参入を目指す女性のロールモデルとなる女性リーダーの登用促進が重点的取り組みに盛り込まれた。

 大学・研究資金改革では、競争的資金について2016年度以降の新規採択から、原則、間接経費を30%措置するなど大学の要望に応える一方、寄付金収入の拡大、民間との共同研究・受託研究の拡大など、財源の多様化を通じた自律的な経営を国立大学に求めている。

 学術・基礎研究の強化では、イノベーションの創出につながるオープンサイエンスの世界的な流れに適切に対応していくことも重要、とした。

 経済・社会的課題の解決に向けた重要な取り組みとしては、「再?可能エネルギーの?幅導?と安定電?供給の両?のための地球環境予測と情報統合化」、「再?医療、オーダーメイド・ゲノム医療の実現、がん、精神・神経疾患、新興・再興感染症、難病に関する研究の推進」、「予防・予測・避難復旧対応技術を組み合わせた災害関連情報共有化による?然災害に対する強靱(きょうじん)な社会の実現」などが盛り込まれた。

 また、「IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ等を駆使した新産業の育成」として、「自動??技術による次世代都市交通システムや地域コミュニティ移動?段」や「インダストリー4.0を超える?付加価値製品・サービスを迅速に提供する新たなものづくりシステム」などの新しい産業が挙げられた。

 さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、「おもてなしシステム」も重点的に取り組む新産業に盛り込まれた。継続的に訪日客を増加させ、地域経済の活性化に寄与する多言語音声翻訳などが含まれている。

 前日の18日に開かれた総合科学技術・イノベーション会議でも、「科学技術イノベーション総合戦略2015」は議題となった。安倍首相は科学技術イノベーション政策を一層強力に推進していく意思を表明すると同時に、「ここ10年、若手をはじめとした研究現場は疲弊し、わが国の研究力は相対的に劣後してきている」と現状に対する厳しい認識も示している。

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