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サルコジ仏大統領原子力推進の強い意志表明

2011.04.01

 来日したサルコジ・フランス大統領と菅首相の会談が31日行われ、サルコジ大統領はことしフランスで開かれる主要国首脳会議(G8)の議長として、福島第一原子力発電所事故を議題とすることを明らかにした。原子力安全に関するより高い国際安全基準をつくるため協議する考えを表明、菅首相に対し、会議冒頭、事故について報告することを要請し、菅首相も了承した。

 会談後そろって記者会見した両首脳は、G8の前に予定されているG20(20カ国・地域首脳会合)や国際原子力機関(IAEA)の会合でも原子力の国際安全基準について話し合うというサルコジ大統領の提案に菅首相も同意したことを明らかにした。

 サルコジ大統領は、フランス人記者の質問に対し「リサイクル可能なエネルギーを導入したとしても、原子力エネルギーで得られるエネルギー量を代替することはできない」「原子力を導入するか否かの選択ではなく、基準を強化することで安全を高めることが必要」など、再三にわたり原子力発電を引き続き推進する意志を明確にした。

 同大統領はまた、今回の事故について「地震によって原子炉は自動的に停止し、建物自体も壊れなかった。その後の津波によって冷却機能が壊滅状態になった」と語り、国際安全基準の協議において、津波に対する対策が重視されることを示唆している。さらに「地球上は一つの大きな村」という表現を用い、今回の事故の経験を世界中の原子力発電の安全性向上に生かす必要を強調した。

 フランスからは、廃炉や放射性廃棄物処理などの経験が豊富な原子力企業アレバ社のロベルジョンCEO(最高経営責任者)が来日、海江田経産相と31日会談して、高濃度の放射性物質を含む水の除去作業などで協力する意思を示すなど、官民挙げて福島第一原子力発電所の事故に対するフランスの支援姿勢が目立つ。

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