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アホウドリ聟島に帰郷 期待より2年早く

掲載日:2011年2月11日

3年前、絶滅防止のため小笠原群島聟(むこ)島で人工飼育され、自然に放されたアホウドリのうちの1羽が聟島に戻ってきた、と10日、山階鳥類研究所が発表した。

アホウドリは伊豆諸島鳥島と尖閣諸島にしか生息していない。鳥島は活火山であるため、もし噴火があると絶滅の恐れも心配されている。生息地を広げるため生後、約40日のヒナを鳥島から聟島にヘリコプターで移送、人工飼育で育てる試みが2008年に始まった。巣立ちしてアリューシャン列島から北米大陸の広い範囲に飛び散ったヒナが、繁殖行動のために戻る際、危険な鳥島ではなく、安全な聟島に帰ってくるのを期待した移住作戦だ。09年以降も毎年、山階鳥類研究所によって同じ時期に続けられている。

帰郷が確認されたのは、08年に巣立った第1期生10羽のうちの1羽(オス)。人工飼育された聟島の西端にあたる場所で確認された。大半を洋上で暮らすアホウドリが生まれた場所に戻り、繁殖行動に入るのは7歳ごろ、5歳程度までの若い鳥は島には戻らず魚類を餌に1年中海上で暮らすといわれている。山階鳥類研究所は人工飼育したヒナが戻ってくるのは5年後くらいではないか見ていたが、予想より2年早い帰郷となった。

また、同じく08年に巣立った別の1羽が、生まれた場所である鳥島の初寝崎に戻っているのも確認された。

08年に巣立った10羽のうち5羽には人工衛星で追跡可能な発信器が取り付けられていた。1カ月後には聟島から約3,900キロ、カムチャッカ半島付け根の東方まで到達していることなど飛行経路も追跡、確認されている。

アホウドリは、150年ほど前には北西太平洋の島々に分布しており、聟島も繁殖地の一つだった。当時は少なくとも数十万羽いたと考えられているが、羽毛を採取するために乱獲された結果、現在は尖閣諸島に300~350羽程度、鳥島にも2,000羽程度しか生息していないとみられている。アホウドリ移住作戦は、米国魚類野生生物局と環境省の支援を受けて行われている。

聟島の戻っていることが確認されたアホウドリ
婿島の戻っていることが確認されたアホウドリ
(提供:山階鳥類研究所)
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